JALのJGC修行とは?メリットや2023年最安ルート候補を徹底解説
皆さんは普段飛行機に乗りますか?乗られる方はどの航空会社を普段使いますか?
私は年数回程度飛行機に乗り、その際はJALや、JALが加盟する航空連合「ワンワールドアライアンス」に加盟する航空会社をよく使っています。
JALを含め世界の多くの航空会社では、マイレージサービス(マイレージプログラム)と呼ばれるサービスを提供しています。
航空券やフライト距離に比例したマイル(≒ポイント)を付与し、そのマイルに応じて無料航空券、割引航空券、座席アップグレード、優先搭乗、航空会社が運営するラウンジ利用などのサービスを提供しています。
そもそもJGC(JALグローバルクラブ)とは?どんなサービス?
という方はJGCの特典やメリットについて詳しく解説した記事をご用意してますので、まずはそちらをご覧ください。
JALのJGC修行とは?
JALでは、1月1日~12月31日の1年以内に所定の搭乗実績に達すると、達成から翌々年3月末までの期間、上級会員と呼ばれるJAL認定のお得意様になることができ、飛行機旅がワクワクするような特典を頂くことができます。
更に上級会員でいる間に所定のクレジットカードに入会できると、毎年クレジットカードの年会費を払い続けるだけで半永久的に上級会員になり続けることができます。
この「上級会員の状態を半永久的に継続できる会員プログラム」はJALグローバルクラブ(JGC)と呼ばれており、このメリットに魅力を感じた多くの方が所定の搭乗実績を目指して飛行機に乗りまくる、「JGC修行」にチャレンジしています。
JGC修行のメリット・特典
JALグローバルクラブ(JGC)の会員になるために飛行機に乗りまくることを「JGC修行」と紹介しましたが、無事に修行を終えてJGCへの入会を成し遂げることを「解脱」と呼ばれていたりします。
JALに限らず、各航空会社の上級会員ステイタス獲得に際しては「修行」「解脱」といった表現がよく使われます。
では、「解脱」の先にはどのような未来が待っているのでしょうか?
まずはJGC会員のメリットを紹介します。
- 予約に関するサービス
- 専用予約デスク
一般の予約デスクはオペレーターと通話するまでにかなり待たされますが、JGC会員は専用番号に電話することで、一般会員よりも早くオペレーターと通話ができます。 - 優先キャンセル待ち
飛行機が満席でキャンセル待ちの場合、一般会員よりも優先して空席割り当てをしてくれます。 - 前方座席指定サービス
一般会員では予約不可能な前方座席(足元が広い席)の指定ができるようになります(エコノミークラスで威力を発揮)。
- 専用予約デスク
- 搭乗時のサービス
- 専用カウンターでのチェックイン
空港でのチェックインの際、一般会員用チェックインカウンターとは異なる、JGC会員用チェックインカウンターやビジネスクラスチェックインカウンターが利用できます。
- 空港での優先空席待ち
飛行機が満席でキャンセル待ちの場合、一般会員よりも優先して空席割り当てをしてくれます。 - 受託手荷物無料許容量の優待
一般会員よりも多くの手荷物を飛行機に預けることができます。
[エコノミークラスの場合]
JAL:国内線は+20kg、国際線は+1個
個数制のワンワールドアライアンス加盟航空会社:プラス1個、最大2個まで
従量制のワンワールドアライアンス加盟航空会社:プラス15kg - JALグローバルクラブ エントランス
一般会員では利用できない、JGC会員専用の保安検査場が利用可能です。(2023年2月時点で、羽田空港、福岡空港、新千歳空港、伊丹空港、那覇空港に設置)
- ラウンジの利用
JGC会員はJALが運営するラウンジ(サクララウンジ)に加え、ワンワールドアライアンス加盟航空会社が運営する全世界約600ものラウンジが利用できます。(写真はワンワールドアライアンス加盟航空会社「ロイヤル・エア・モロッコ」が運営するモロッコ・カサブランカにあるビジネスクラスラウンジで、JGC会員も利用できます)
- 優先搭乗
国内線、国際線ともに一般会員よりも先に飛行機内への搭乗が可能です。エコノミークラスの利用において、オーバーヘッドコンパートメントの争奪戦や、搭乗時の混雑でボーディングブリッジや機内通路で立ったまま待たされるような状況から解放されます。 - プライオリティバッゲージサービス
手荷物を預けた場合、優先タグが手荷物に付けられ、飛行機を降りた後、一般会員よりも早く預けた荷物が戻ってきます。
- 専用カウンターでのチェックイン
- その他のサービス
- ボーナスマイル(マイルアップボーナス)
JGC会員がJAL、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空に搭乗してマイルをJALに積算すると、35%のボーナスマイルが付きます。
- ボーナスマイル(マイルアップボーナス)
私が個人的に価値を感じるのは、「専用予約デスク」「専用カウンターでのチェックイン」「優先搭乗」の3つです。
「専用予約デスク」について、今ではほとんどオンラインで完結しますが、電話をしないといけないケースはまだ残っています(多くはトラブル発生時です)。JALの一般会員用コールセンターは通常数十分~1時間近く待たされますが、JGC会員用のコールセンターは待たされることはほとんどありません。「すぐ繋がる」安心感は上級会員の大きな特典です。
「専用カウンターでのチェックイン」については、国内よりも海外でそのメリットを享受する機会が多いです。
下の写真はとある日のタイ・バンコク国際空港です。
ワンワールドアライアンス加盟航空会社であるカタール航空のエコノミークラスにてドーハに向かう予定なのですが、大行列ができています。
エコノミークラスチェックインカウンターは写真の左奥に位置しており、ざっと100~200人くらい並んでいる感じです。
当日の機材は世界最大の総二階建て旅客機であるエアバスA380型機。エコノミークラスだけで300席以上はあるはずなので、この行列には納得できるものの、気分は滅入ります。
そんなとき、JGC会員ですとエコノミークラスの利用にもかかわらず、カタール航空のビジネスクラスチェックインカウンターを利用することができます。
当日のビジネスクラスチェックインカウンターの待ちは10人未満でしたので、ほとんどストレスを感じることなくチェックインを終えることができました。
上級会員はある意味、「時間を買う」こともできてしまいます。
「優先搭乗」についても、エコノミークラス利用時にその価値が発揮されます。JALにおける搭乗の流れは以下の順となっており、見事な格差社会になっています。
-
- 事前改札:車いす利用、2歳以下の子連れ、その他特別な手伝いを必要とする人
- グループ1:ファーストクラス、JALやワンワールドの最上級会員
- グループ2:ビジネスクラス、JALやワンワールドの上級会員(JGC会員はココ)
- グループ3:エコノミークラス(後方座席または窓側座席の人)
- グループ4:エコノミークラス(後方座席の人)
- グループ5:エコノミークラス(その他、前方座席の人)
通常エコノミークラスの利用だとグループ3~グループ5のいずれかになりますが、JGC会員はグループ2となり、エコノミークラスの乗客の中では2番目(グループ1となる最上級会員の次)に搭乗可能となります。
早く搭乗することで、オーバーヘッドコンパートメントの争奪戦や、エコノミークラス搭乗時の混雑でボーディングブリッジや機内の通路での直立待機といった苦痛から解放されます。
JGC修行にかかる費用相場
JGC修行にはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか?
JGC修行と一言で言っても、回数で達成する方法、所定のポイント数で達成する方法がありますし、修行をエコノミークラスで実施するか、ビジネスクラスにするかでも大きく変わってきます。
修行の方法はいくつもあり、修行者の価値観によって異なってくるため画一的な費用は出せないものの、概ね航空券のみで30万円~と言われています。
修行を兼ねた旅行にする場合は、ホテルの宿泊費なども別途考慮する必要が出てきます。
JMBとJGCの違い
ここで、JALのステイタスプログラムに関する用語を少し整理しておきたいと思います。
まず、JALにはJMB(JALマイレージバンク)と、JGC(JALグローバルクラブ)の2つがあります。
簡単に言うとJMBは誰でも入会できる一方、JGCは一定の条件を満たした人だけが入会できるプログラムとなります。
JMB (JALマイレージバンク) |
JGC (JALグローバルクラブ) |
|
入会資格 | なし | あり |
目的 | マイルを貯める | 特別なサービス(空港ラウンジの利用、搭乗時のボーナスマイル、優先搭乗、etc)の享受 |
年会費 | 原則無料 | 有料 |
また、JALには「マイル」と「FLY ONポイント(FOP)」の二つの仕組みが存在しますので、併せて簡単に紹介しますね。
マイル | FLY ONポイント(FOP) | |
用途 | 特典航空券やクーポンなどへの交換 | 上級会員ステイタスの獲得 |
貯め方 | JALやワンワールドアライアンス加盟航空会社便への搭乗、ポイ活(クレジットカードのポイントやポイントサイトからのポイント交換) | JALやワンワールドアライアンス加盟航空会社便への搭乗 |
有効期限 | 獲得した日から原則3年 | 獲得した年の12月末 |
JGC修行のステップ
JGC修行のステップについて簡単に整理してみます。ざっくりと修行のステップは4段階となります。
1.JMB(JALマイレージバンク)入会
これをしないと何も始まりません!!
2.JMBクリスタル到達
搭乗実績を積み上げていき、30,000FLY ON ポイント(FOP)、又は10,000 FOP&搭乗回数30回に達すると、最初の上級会員(中級会員!?)ステイタスである「JMBクリスタル」が付与されます。
「JMBクリスタル」はワンワールドアライアンスステイタスの「ルビー」と同等となります。
得られる特典は少し物足りませんが、JALを含むワンワールド加盟航空会社便利用時にビジネスクラスチェックインカウンターが利用可能となります。
国際線でのチェックイン時にちょっとした優越感を感じることができます。
JMBクリスタルは獲得から翌々年3月末まで有効となります。
3.JMBサファイア到達
さらに搭乗実績を積み上げていき、50,000FOP、又は15,000FOP&搭乗回数50回に達すると、上級会員ステイタス「JMBサファイア」が付与されます。
空港内でJALが運営するビジネスクラスラウンジ「サクララウンジ」の利用や、優先搭乗などの特別なサービスを享受することができます。
また、JMBサファイアはワンワールドアライアンスステイタスの「サファイア」と同等となります。
JAL便でなくても、ワンワールドアライアンス加盟航空会社便の利用であれば、加盟航空会社が運営するラウンジ利用や優先搭乗などの特典を享受することが可能です。
JMBサファイアは獲得から翌々年3月末まで有効となります。
4.JGC入会(JGCワンワールドサファイアの獲得)
50,000FOP、又は15,000FOP&搭乗回数50回に達したら、「JALグローバルクラブ(JGC)」への入会手続きが可能となります。
後述しますが、JGCへの入会に際しては、フライト実績と、所定のJALカードの所有が条件となります。
JGC会員になると、「JGCワンワールドサファイア」のステイタスが付与されます。特典の内容は、「JMBサファイア」と同等となります。
特典の内容は同等なのですが、最大の違いは会員ステイタスの維持の方法です。
JMBサファイアは獲得後翌々年3月までの有限のステイタスとなり、維持するためには改めて修行が必要となります。
一方、JGC会員(JGCワンワールドサファイア)は、「JALカードのCLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナ」のいずれかを所持する限り自動更新されます。言い換えると所定のJALカードを持ち続ける限り、半永久的にJGC会員であり続けることができます。
このJGCへの入会には下記2点をクリアする必要があります。
- 1〜12月の12カ月間にJALグループ便ならびにワンワールド アライアンス加盟航空会社便に搭乗して50,000FOP(うちJALグループ便25,000FOP)以上、または50回(うちJALグループ便25回)以上かつ15,000FOP以上の搭乗実績があること。
- JALカードの「CLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナ」のいずれかを保持
尚、FOPが獲得できるJALグループ航空会社とワンワールドアライアンス加盟航空会社は以下となります(2023年2月時点)
【JALグループ航空会社】
■日本航空
■日本トランスオーシャン航空
■琉球エアーコミューター
【ワンワールドアライアンス加盟航空会社】
■アラスカ航空
■アメリカン航空
■ブリティッシュ・エアウェイズ
■キャセイパシフィック航空
■フィンエアー
■イベリア航空
■マレーシア航空
■カンタス航空
■カタール航空
■ロイヤル・エア・モロッコ
■ロイヤルヨルダン航空
■スリランカ航空
上級会員ステイタスの名称と修行のステップについて簡単な絵にまとめてみました。
イメージ的には①JMB会員になって、②JMBクリスタル(30,000FOP獲得 or 30回搭乗&10,000FOP獲得)を経由して、③JMBサファイア(50,000FOP獲得 or 50回搭乗&15,000FOP獲得)まで上り詰めて、JGCに入会(④JGCワンワールドサファイア獲得)するような感じです。
JGCカードを発行してJGCの半永久会員になる
JMBサファイア取得(50,000FOP獲得 or 50回搭乗&15,000FOP獲得)後、JGCに入会することで今回の修業は「解脱」となるわけですが、JGCに入会するためのもう一つの要件である、JALカード(CLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナ)の審査条件もチェックしておきたいと思います。
修行の流れとしては、JMBサファイア取得後にJGC入会手続きの流れとなります。既に所定のJALカードを持っている場合は「JALカード」から「JALグローバルクラブカード(JGCカード)」に切り替えるだけなので、何の心配もありません。
しかし、JGC入会手続きと併せてJALカード(JGCカード)を新規発行しようとした場合、万一JALカードの入会審査でNG になるとJGC修行が水の泡となります。
JALカードは修行の前準備として事前に入会しておくことを強くおすすめします。
【CLUB-Aカード】
・18歳以上(高校生を除く)の日本に生活基盤のある方で、日本国内でのお支払いが可能な方
※非公式情報ですが、年収300万円以上が望ましいようです。
【CLUB-Aゴールドカード】
・日本に生活基盤のある方で日本国内でのお支払いが可能な方
・20歳以上で、一定以上の勤続年数・営業歴と安定収入のある方(学生を除く)
※非公式情報ですが、年収400万円以上、勤続年数5年以上が望ましいようです。
【JALダイナースカード】
・日本に生活基盤のある方で日本国内でのお支払いが可能な方
・原則として27歳以上で、ご本人に安定した継続収入のある方(学生を除く)
※非公式情報ですが、年収500万円以上が望ましいようです。
【プラチナ】
・日本に生活基盤のある方で日本国内でのお支払いが可能な方
・20歳以上で、ご本人に安定した継続収入のある方(学生を除く)
※非公式情報ですが、年収500万円以上が望ましいようです。
JGC修行におすすめのJALカード
JGC修行を行う上で、CLUB-Aカード以上のJALカードへの入会を強くおススメしましたが、いったいどのカードが良いのでしょうか?
もし迷われている方がいるのであれば、まずはCLUB-Aカードの取得をおススメします。一旦CLUB-Aカードを取得しておけば、JGC修行は遂行できますし、将来的に上位カードへのアップグレードもできます。
アップグレード時の審査に失敗したとしても、既に保有しているCLUB-Aカードは継続利用できるため、ベースライン確保の観点からもまずはCLUB-Aカードの取得がおすすめです。
一方でCLUB-Aカードだけで8つも種類があります。CLUB-Aカードの中でのおススメはあるのでしょうか?
修行という観点から見た場合、CLUB-Aカード内での優劣はないため、お好みで選んでいただいて大丈夫です。
私は2014年にJGC修行を敢行しました。当時はモバイルSuicaへのクレカチャージでもポイントが貯められる点に魅力を感じ、「JALカードSuica」を選択して現在も愛用しています。
JGC修行は2つの達成条件どちらを満たすか決めて始める
JGC修行には50,000FOPを貯めて解脱する「FOP修行」と、50回以上搭乗&15,000FOPを貯めて解脱する「フライト回数修行」の2つのルートがあり、どちらかを選択して進めることになります。
尚、事前にJALカードへの入会が完了している場合、例年、毎年初回搭乗時にFLY ONポイントボーナスキャンペーンを実施しています。申し込みが必要だったりしますが、うまく活用することで修行の一部をスキップすることができます。是非チェックしてみてください。
FOP修行
まず、FOPの計算式について簡単に紹介します。
【計算式】
①フライトマイル × ②FOP換算率 × ③搭乗ボーナスFOP
【各項目の概要】
①フライトマイル
区間マイルと、搭乗クラスや運賃に応じた積算率により算出。
②FOP換算率
日本国内線:2倍
JAL便の日本発着 アジア・オセアニア線:1.5倍
上記以外の国際線:1倍
③搭乗ボーナスFOP
JAL便搭乗時に運賃に応じて追加されるポイント(0~400FOP)
FOPの計算式は結構複雑なのですが、例えば、最も安いチケットで、東京-沖縄、東京-タイ・バンコク、東京-アメリカ・ニューヨークにそれぞれフライトした場合、獲得できるFOPは以下となります。
- 東京⇒沖縄(フライトマイル50%、FOP換算率2倍):片道984FOP
- 東京⇒タイ・バンコク(フライトマイル30%、FOP換算率1.5倍):片道1,291FOP
- 東京⇒アメリカ・ニューヨーク(フライトマイル30%、FOP換算率1倍):片道2,022FOP
ちなみに私はFOP修行を選択し、国内線の羽田-沖縄や、国際線の東京-タイ・バンコクといったアジア路線を活用してFOP獲得に邁進していました。
JAL公式からFOPの計算をするためのページも提供されています。
フライト回数修行
仕事等で月に2往復以上飛行機に乗る機会がある方は「フライト回数修行」もアリだと思います。
知人の不動産営業マンは日本全国に営業に飛び回っており、出張と修行を兼ねて解脱していました。
それ以外の方は1日の便数が多く、短距離でチケットが安い路線(福岡-宮崎、伊丹-但馬、那覇-久米島、etc)を探すか、周遊旅行で搭乗回数を稼ぐ形になります。JALでは周遊旅行(JALダイナミックパッケージ)を提供していますので、このようなパッケージの活用もアリです。
2023年JGC修行のおすすめルート一覧
JGC修行のルートについて、いくつか考えてみたいと思います。
修行の仕方は千差万別なので、ご自身に合った修行スタイルを見つけてみてください。
最安ルートならひたすら羽田~那覇を往復
費用を抑えることを優先する場合、購入する航空券に対してどれだけのFOPが得られるかがとても重要です。
購入した航空券の金額を獲得できるFOPで割ると「FOP単価」が出せますので、FOP単価の良いルートを見つけて修行します。
一般的にはFOP単価が10円を切るとコスパが良いとされており、国内の長距離路線で1日の便数が多い羽田~那覇路線は修行の王道ルートになります。
例えば以下のような羽田-那覇の普通席のチケットを取ったとします。
JALのサイトでFOPを計算すると片道1,676FOPとなり、FOP単価は4.54円(7,610円÷1,676FOP)となります。
単純にこの運賃で修行できたとすると、30回搭乗(羽田-沖縄15往復)で目標の50,000FOPを獲得することができます。修行費用は7,610円×30回搭乗=228,300円となります。
修行と併せてFOP1.5倍のアジア・オセアニアを中心に旅行
コスパ重視もよいですが、せっかく飛行機に乗るので旅行も楽しみたい場合、FOP1.5倍のアジア・オセアニア路線を楽しむのもいいかもしれません。
国際線の前後に羽田-沖縄路線を1往復ずつ追加すると修行のペースが加速します。
例えば、下記のような感じで、インドネシア・ジャカルタ行きのビジネスクラス航空券を購入できたとします。
片道4,193FOP(往復8,386FOP)となり、6往復くらいすると50,000FOPを獲得できます。
しかし、FOP単価を算出してみると36.7円(307,850円÷8,386FOP)となり、上述の羽田-沖縄路線と比較するとかなり劣ります。
ちなみにJALが就航していて、片道のフライトが2,000マイル以上のアジア・オセアニア路線は以下の通りです(2023年2月時点の東京発着路線)。
- DEL:インド・デリー
- BLR:インド・ベンガルール
- HAN:ベトナム・ハノイ
- BKK:タイ・バンコク
- SGN:ベトナム・ホーチミンシティ
- KUL:マレーシア・クアラルンプール
- SIN:シンガポール
- CGK:インドネシア・ジャカルタ
- SYD:オーストラリア・シドニー
少し話が逸れますが、アジア発の海外発券にすると、FOP単価は改善するかもしれません。
先ほどインドネシア・ジャカルタ行きのチケットの話をしましたので、引き続きジャカルタを例に出すと、ジャカルタまで片道航空券で飛び、ジャカルタを出発地としてJALビジネスクラスのフライトで東京経由の長距離国際線に搭乗しFOPを稼ぎます。
例えば、下記のような航空券を入手したとします。
このチケットの東京-ニューヨーク間は片道5,117FOPとなり、ジャカルタ-ニューヨーク往復で合計18,620FOP獲得できます。
チケットは約62万円なので、FOP単価は33.2円となり、東京-ジャカルタ間を往復するよりも若干ですがFOP単価は良くなります。
どうせ飛行機に乗りまくるなら修行と併せて世界を1周してしまう
どうせ飛行機に乗りまくるなら、日本国内やアジア・オセアニアに縛られずに世界の好きなところに行きたいと思ったあなた、「世界一周航空券」をご存じですか?
JALが加盟する航空連合「ワンワールド」では、ワンワールドアライアンス加盟航空会社の便を乗り継いで世界を回ることができる世界1周航空券を提供しており、以下の2種類があります。
- ワンワールドエクスプローラー:訪問する大陸数(3大陸~6大陸)で価格が変動
- グローバルエクスプローラー:フライト距離(29,000マイル~39,000マイル)で価格が変動
例えば、下記のような感じでビジネスクラスの世界1周航空券を取得したとします。
FOPの計算方法が若干複雑になるため概算となりますが、このルートで26,000FOPくらいになります。
チケットの価格は85.2万円なので、FOP単価は32.7円となり、ジャカルタ-ニューヨーク往復よりも、更に少しだけFOP単価が良くなります。
私のJGC修行体験談
JGC修行は年々ハードルが高くなっていますので、修行を始めるのであれば早い方が良いです。
私がJGC修行を行ったのは2014年のことになります。実は当時も年々修行のハードルが高くなっているので早く始めた方が良いと言われていました。
当時は沖縄発券でシンガポール往復を繰り返す修行スタイル(通称:OKA-SINタッチ)が流行っており、タイ好きの私はシンガポールではなくタイ・バンコクへの往復を繰り返していました。
当時はキャンペーンなども併用することで、3往復程度で50,000FOPが獲得できました。振り返ってみるとやはり年々JGC修行のハードルは上がってきていると感じます。
私の修業はかなり特殊な部類に入るかもしれません。
通常は一般会員からフライト実績を積み重ねて上級会員を目指しますが、私は「ステイタスマッチ」という仕組みを活用し、最初にJMBサファイアのステイタスを獲得して修行を行っていました。
ステイタスマッチとは、競合のホテルや航空会社の上級会員を招待(引き抜き?)する様なイメージで、例えば私がA社の上級会員ステイタスを持っていたとします。
B社がA社の上級会員を対象としたステイタスマッチのキャンペーンを行い、申し込みをすることで私は労せずB社の上級会員にもなれる(つまり、A社ではお得意様なので、B社でもお得意様になってくれることを期待されている)という仕組みです。
ステイタスマッチは神出鬼没的なキャンペーンとなるため、タイミングにもよりますが、いくつかお役に立てそうな小ネタがありますので、私の体験談を簡単に紹介しますね。
ステップ1.航空会社の上級会員ステイタスを買う
実は航空会社にこだわらなければ、上級会員のステイタスは(間接的に)買うことができます。
アメリカの航空会社であるデルタ航空が日本で発行しているクレジットカード「デルタ スカイマイルアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」は、入会することで、デルタ航空の上級会員ステイタスである「ゴールドメダリオン」が付与されます。
初年度のみ無料。次年度以降は決済金額等の条件をクリアすることで付与されます。
ステップ2.神出鬼没のステイタスマッチに応募
私の場合、幸運にもクローズドのステイタスマッチのキャンペーンに出会うことができたのですが、そのキャンペーンは「スターアライアンス」(ANAが加盟している航空連合)の上級会員を対象としていたものでした。
そこで、一旦デルタ航空の上級会員からスターアライアンスの上級会員へのステイタスマッチを行った上で、ワンワールドの上級会員にステイタスマッチを行うという流れを取りました。
当時はタイミング良く、スターライアンス加盟航空会社であるユナイテッド航空が、デルタ航空の上級会員を対象としたステイタスマッチを行っていました。
尚、ユナイテッド航空は定期的にステイタスマッチを行っているようで、2022年もステイタスマッチが行われていました。
しかし、ユナイテッド航空のステイタスマッチには条件があり、ステイタスマッチを行っても120日間限定の暫定上級会員にしかなれません。
正式な上級会員となるにはユナイテッド航空便にて所定のフライト実績を積み上げる必要がありました。
当時スターアライアンスからワンワールドへのステイタスマッチを行うためには、ステイタスを証明する物理カードが必要だったのですが、ユナイテッド航空は正式な上級会員にならないと発行してくれませんでした。
そこでフライト実績を積むため、ユナイテッド航空のホームページからユナイテッド修行のフライトを予約します。
ユナイテッド修行ルート(TYO:東京、IAD:ワシントン、
DEN:ダラス、SAN:サンディエゴ、LAX:ロサンゼルス)
その際、東京-アメリカ間のフライトで、「ANA運航のユナイテッド便(=コードシェア便)」が、「ユナイテッド航空運航のユナイテッド便」よりも金額が安い状況となっていました。
航空会社の評価で有名なSkytrax社の2022年の評価では、ANAは世界ランク4位と非常に評価の高いサービスを提供する航空会社であるのに対して、ユナイテッド航空は世界ランク60位の航空会社です。
世界の航空会社ベスト10に選出されるANA運航便がユナイテッド運航便より安ければ、ユナイテッド運航便を選ぶ理由はありません。迷わずANA運航のコードシェア便を選択してアメリカまで修行に出かけました。
ユナイテッド修行が終わり、あとはフライト実績が付くのを待つだけですが、待てど暮らせど実績が付きません。ユナイテッド航空のサポートセンターに問い合わせをすると、「ユナイテッド航空運航便以外は対象外です」と無慈悲な回答が返ってきました。
ここでお伝えしたいのは、「コードシェア便に注意」ということです。ユナイテッド航空はゼロカウントという無慈悲な対応でしたが、JALの場合は寛容で、必要なFOP全体の半分(50,000FOPの場合、半分の25,000FOP)までコードシェア便(ワンワールドアライアンス加盟航空会社便)を認めてくれています。
そのため、JGC修行において大きな問題になることは無いと思いますが、コードシェア便は注意が必要です。
ちなみにユナイテッド修行の顛末ですが、さすがにもう1回アメリカまで飛ぶ元気は無く心が折れかけたものの、運よく別のスターライアンス加盟航空会社であるターキッシュエアラインズがステイタスマッチを実施してくれたため、そちらで無事目的を達することができました。
ただ、この件がトラウマになり私はユナイテッド航空には一生涯搭乗しない身となりました(笑)。
ステップ3.上級会員資格を持ちながら慌ててFOP修行
実は、当初ステイタスマッチでJMBサファイアを獲得出来たらそのままJGCに入会できるものと思い込んでいました。
ところが、JGC入会のルールをよく読むと、搭乗実績部分については「JMBサファイアを持っていること」ではなく、「1〜12月の12カ月間に50,000FOP以上、または50回以上かつ15,000FOP以上の搭乗実績があること」なのです。
結局ショートカットするはずのステイタスマッチではショートカットすることができず、50,000FOP獲得のための修行を慌てて行う羽目となりました。「急がば回れ」とはこういうことを言うのかもしれません。
JGC修行達成(解脱)の先に待つJALの最上級会員ステイタス
JGCやサファイアのステイタスはJALの上級会員となりますが、その上のステイタスが存在することをご存じでしょうか?これまで紹介したサファイアやJGCに加え、JALの「最上級会員ステイタス」について、まずは簡単な表で整理してみます。
名称 | 達成条件 | 主な特徴 | |
一般会員 | JMB会員 | – | – |
中級会員 | JMBクリスタル
JGCクリスタル |
30,000FOP
(又は30回搭乗&10,000FOP) |
・専用カウンターでのチェックイン |
上級会員 | JMBサファイア
JGCサファイア JGCワンワールドサファイア |
50,000FOP
(又は50回搭乗&15,000FOP) |
(中級会員に加え)
・優先搭乗 ・ビジネスクラスラウンジの利用 |
最上級会員 | JGCプレミア | 80,000FOP
(又は80回搭乗&25,000FOP) |
(上級会員に加え)
・ファーストクラスラウンジの利用 ・マイル有効期限廃止(マイル無期限) |
JMBダイヤモンド | 100,000FOP
(又は120回搭乗&35,000FOP) |
(JGCプレミアに加え)
・ボーナスマイルの積算率UP(130%) |
JGCプレミア
では、JGCプレミアの達成条件やステイタスの特徴を詳しく見ていきたいと思います。
JGCプレミアの達成条件は大きく2つあります。
【FLY ON ポイントのみでの達成】
毎年1月~12月の12カ月間にJALのフライトに搭乗して80,000FOPを獲得
(内40,000FOPまではJAL以外のワンワールドアライアンス加盟航空会社の搭乗による獲得でもOK)
【搭乗回数+FLY ON ポイントでの達成】
JALのフライトに80回以上搭乗&25,000FOPを獲得
(フライト回数について、40回まではJAL以外のワンワールドアライアンス加盟航空会社の搭乗でもOK)
尚、「JGC(以下、平JGC)」は入会して所定のクレジットカードを持ち続ける限りステイタスを維持できますが、「JGCプレミア」は達成から翌々年3月末までの有限ステイタスとなり、JGCプレミアを維持するためには定期的に修行が必要となります。
次にステイタスの特徴を、平JGCとの違いを中心に表にまとめてみました。
大きな違いの一つは利用できるラウンジとなります。
JAL国際線にはビジネスクラスラウンジに相当する「サクララウンジ」と「JALファーストクラスラウンジ」があります。平JGC会員はサクララウンジのみ利用可能ですが、JGCプレミア会員はサクララウンジに加えてJALファーストクラスラウンジも利用することができます。
JALファーストクラスラウンジはJGCプレミア会員以外にも、ワンワールドエリートステイタスの「エメラルド」も利用することができます。
同様に日本国外のワンワールドアライアンス加盟航空会社にもサファイアはNGで、エメラルドはOKなラウンジが存在し、エメラルドはOKなラウンジにJGCプレミア会員は入ることが可能です。
もう一つの大きな違いはマイルの有効期限の廃止です。通常JALのマイルは獲得後3年で失効しますが、JGCプレミア会員は会員期間中マイルの有効期限が無くなります。
JGCプレミア会員であり続ける限りマイルが無期限になるのは平JGCとの大きな差です。
JGCプレミア | 平JGC | |
ワンワールドエリートステイタス | エメラルド | サファイア |
予約に関するサービス | ||
専用予約デスク | 最上級のコールセンター(ダイヤモンド・プレミア専用デスク) | 上級コールセンター
(JGC専用デスク) |
搭乗時のサービス | ||
ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場の利用 | 〇 | × |
優先セキュリティレーンの利用 | 〇 | × |
国際線ファーストクラスラウンジの利用 | 〇 | × |
国内線「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」の利用 | 〇 | × |
優先搭乗 | 最優先(GROUP1) | 優先(GROUP2) |
空席待ち | 最優先(種別S) | 優先(種別A) |
ボーナスマイル | ||
JAL、アメリカン航空 | 105% | 35% |
ブリティッシュ・エアウェイズ | 100% | 35% |
イベリア航空 | 100% | 35% |
その他のサービス | ||
マイル有効期限廃止 | 〇 | × |
サービスセレクション | 3万円相当 | – |
国際線Wi-Fi無料クーポン | 〇 | × |
JMBダイヤモンド
最後に、ダイヤモンドの達成条件やステイタスの特徴を詳しく見ていきたいと思います。
ダイヤモンドの達成条件は大きく2つあります。
【FLY ON ポイントのみでの達成】
毎年1月~12月の12カ月間にJALのフライトに搭乗して100,000FOPを獲得
(内50,000FOPまではJAL以外のワンワールドアライアンス加盟航空会社の搭乗による獲得でもOK)
【搭乗回数+FLY ON ポイントでの達成】
JALのフライトに100回以上搭乗&35,000FOPを獲得
(フライト回数について、50回まではJAL以外のワンワールドアライアンス加盟航空会社の搭乗でもOK)
次にステイタスの特徴を、JGCプレミアとの違いを中心にまとめてみました。
個人的な感覚としてはダイヤモンドとJGCプレミアに大きな差は無く、JGCプレミアで十分なのではと感じています。
一方、未確認情報として、ダイヤモンド会員は「隣席ブロック」や「インボラアップグレード」がかなりの高確率で起きるという噂があります。
ダイヤモンド | JGCプレミア | |
ボーナスマイル | ||
JAL、アメリカン航空 | 130% | 105% |
その他のサービス | ||
サービスセレクション | 6万円相当 | 3万円相当 |
2024年からの新ステイタスプログラムにも注目(2023年秋発表)
2024年1月からJALの新しいステイタスプログラムが始まります。
従来のFLY ON ポイントをベースとしたステイタスプログラムは残しつつも、航空機以外の利用(JALカード、JALショッピング、環境活動、etc)の実績に基づくステイタスプログラムが新設される予定です。
従来はビジネス/ファーストクラスのチケットを持っているか、上級会員のステイタスを持っていないとラウンジが利用できませんでしたが、新プログラムではJALカードやJALショッピングをたくさん使う人にもラウンジが解放されるかもしれません。
また、JGC入会要件についても従来のFOP獲得以外の新たな入会ルートができるかもしれません。
新ステイタスポイントのプログラム詳細は、2023年秋頃に発表ですので、大注目です!