ザ・プリンス パークタワー東京で春本番アフタヌーンティー【ブログレビュー】
テーマパークなどが先立ってイベント化している「イースター」ですが、その波がアフタヌーンティーにも見え隠れし始めたので、早速ためしに行って参りました。
クリスマスやハロウィンほどのなじみがまだないものの、明らかにビジュアル化しやすいテーマでいつも以上に楽しいお茶の時間になりそうです。
今回の会場はザ・プリンス パークタワー東京のロビーラウンジです。
「イースター」について、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれませんので、まずはイースターとは何かから触れていきます。
イースターとは
日本語では「復活祭」と呼ばれるキリスト教のお祭りです。イエス・キリストが十字架に架けられて処刑されたのち、予言どおりに蘇ったことを起源とする記念日。キリスト教文化では、キリストの誕生日であるクリスマスよりも意味深く、最も重要な祝日だとか。
“メリー・クリスマス!”や“ハッピー・ニュー・イヤー!”同様、“ハッピーイースター!”と言ってお祝いするそうです。
クリスマスは毎年固定の12月25日である一方で、イースターは「春分の日のあとの、最初の満月の日の次に迎えた日曜日」とされる移動祝日で、年によってその日が異なります。2022年のイースターは4月17日でしたが、2023年は4月9日と、年によって祝日が異なる背景があります。
ちなみに、起点になる春分の日は、国や地域に関わらず同日にイースターのお祝いができるよう、便宜上世界共通で毎年3月21日と固定されているとか。
宗教的な意味合いの他に、春の到来を祝う習わしもあるようで、その点では日本のイベントにも取り込みやすそうです。
イースターエッグ&イースターバニー
イースターを象徴するモチーフとして「卵」が有名です。「イースター=卵」の理由は諸説ありますが、生命の誕生をイメージさせる「卵」が、命の復活に重ね合わされているようです。カラフルにペイントしたゆで卵を「イースターエッグ」と呼んで飾ったり、庭に隠して探す“エッグハント”ゲームをしたりと、イースターのお祝いには「卵」がなくてはならない存在。
地域によっては「兎」がイースターエッグを隠すとか、イースター前夜に子どもにプレゼントを運ぶと言われています。また、兎が多産で繁栄を意味することから、卵同様にイースターのシンボルになっているようです。
アフタヌーンティーのメニュー開発の発想にも、これらの逸話が活かされているのでしょう。
ザ・プリンスとは
1921年(大正10年)に旅館業を、翌々年にはホテルを開業している老舗であり、現在では日本のホテル・レジャー業界で最大級の事業規模を誇る(株)西武・プリンスホテルズワールドワイドが展開する「プリンスホテルズ&リゾーツ」ブランドのフラッグシップ的な位置づけ。同ブランド58軒の内、該当するのは6軒(東京2・箱根・軽井沢2・京都)のみ。
「ザ・プリンス」よりも上位に分類されているホテルは1軒(ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町)だけなので、「ザ・プリンス」はブランドを体現する宿といえそうです。
ザ・プリンス パークタワー東京とは
2005年に開業。603の客室をはじめ、17の宴会場、チャペル、12のレストラン、天然温泉付きのスパ&フィットネス設備や遊技施設、美容やリラックス系店舗などがあり、施設の充実が特徴的。芝公園に隣接し、なおかつホテルの施設として「プリンス芝公園」を所有。
「フォーブス・トラベルガイド」のホテル部門で4年連続(2020・2021・2022・2023)4つ星評価を獲得しています。
地上33階、地下2階の建物で、建物すべてがホテル施設です。周辺は芝公園の緑に囲まれながら、東京タワーがほど近く、都会のオアシスの環境にあり、フォトジェニックですね!
ロビーラウンジへ
正面玄関ホールに入ると、向かって左側がホテルレセプション、右側がレストラン・宴会場等の宿泊以外の施設の入口になっています。
アフタヌーンティーは右側に進みます。
なかに入ると、目の前にホテルメイドのスイーツ等を販売するショップがあります。アフタヌーンティーが提供される「ロビーラウンジ」は、ショップの前を通ってさらに奥、光が差している方向にあります。
会場に向かう前に、1階お化粧室チェック!
さすが、宴会場を擁するだけあって、お化粧スペースがたっぷりとられています。専用鏡ごとに仕切られた5席があり、椅子もフェミニンで素敵。落ち着いた雰囲気で利用できそうです。
洗面台も5つ。こちらは黒が効いたシックな印象です。ハンドドライヤーが休止中のため、ハンドペーパーがラタンの籠台に用意されていたのですが、ラタンを黒に塗りあげているところにセンスと細やかな配慮を感じました。多くの方が利用するお化粧室は、ホテルの公の顔なので、それをどう扱い、どう見せているかで、ホテルの本質が見えてきます。
さて、いよいよ「ロビーラウンジ」でアフタヌーンティーをいただきます。
全面ガラス張りの店内は、とても明るく爽やかです。
ご案内頂いたお席は、まさに窓際。雨あがりの曇り空でしたが、大きな窓から東京タワーが間近に臨めました。1階の景色としてはとても贅沢です。ホテルの立地の良さならではですね。
画像ではわかりづらいですが、正面の壁には上から下へお水が流れていて、画像ほどの圧迫感はなく、むしろ優雅な雰囲気を醸し出しています。
ザ・プリンス パークタワー東京 イースターアフタヌーンティーの内容
メニューコンセプト
Easter Afternoon Tea ~scent of spring~(2023年05月31日まで)
イースターをテーマとしたアフタヌーンティー。うさぎやイースターエッグをモチーフにしたスイーツ、春の芽吹きを思わせる春野菜を使用したセイボリーなどパステルカラーでかわいらしく仕上げ、細部にまで散りばめられた春のエッセンスで“scent of spring(春の香り)”を表現。
イラスト入りの手間のかかったメニューに、創り手の意欲とこだわりがうかがえます。
お食事と飲み物のレポート
ウェルカムドリンク
メニューにないウェルカムドリンクは、グレープフルーツジュースベースに桜の香りが漂う冷たい飲み物。桜カラーの表面に浮かぶ緑のローズマリーが美しい一杯です。
まずは、東京タワーと乾杯!
イースターアフタヌーンティーセット登場
3段のプレートに食べ物とは思えないほど可愛い品々が満載!スタンドにはチューリップが配されて、春本番を称えるようなお出迎えに気分は最高潮!
ティーセットはナルミ、お食事に用いられているパールのようなテクスチャーがちりばめられた素敵なお皿は、日比野陶器製とのことです。
お食事(セイボリー)
【コンソメのフラン トリュフのエキューム】
まず手が伸びたのは、鳥の巣の中の卵。なんてお茶目な演出でしょう!あしらわれていた羽根モチーフも食べられました。アイデアと細やかな技術に感激です。
エキュームのトリュフの香りをまとった泡の下には卵が使われたフランが。可愛らしい見栄えながら、本格的なフランス料理が仕込まれていました。
【春野菜とチキンのテリーヌ】
お食事プレート左端の緑が美しいテリーヌ。お野菜とチキンがジュレでまとめられていますが、口のなかでホロホロと分かれ、それぞれの歯ざわりを愉しめる一品です。
【ビーフパストラミのトルティーヤ】
セイボリーの前列中央に鎮座する巻物がトルティーヤです。中のビーフパストラミと、外側のトルティーヤとの組み合わせでメリカ西海岸が思い浮かびました。
【キャロットムースとパン・デピスのお庭】
今回のアフタヌーンティーでナンバーワンにおいしく、印象深かったのがこちらです。
ニンジン畑のなかにいるイースターラビットを表現した見た目のインパクト!インパクトを実現させる斬新なアイデアと細やかな手仕事。ニンジンは、本物のニンジンをグラッセしたもので、その火入れの按配が完璧。私の小指より細く短い小ささのものを、余熱も含めて温度管理しながら味も浸み込ませていて、匠の技を感じました。そこに切れ込みをいれて葉っぱを差してあり、ミニチュアとはいえ、ニンジンそのものです。
畑の土に見立てられているのは、ジンジャー・ブレッド(フランス菓子の呼称は“パン・デピス)を砕いたもの。ザラっとした食感が土っぽい(笑)。ほんのり生姜の香りがするところも大地をイメージさせます。生姜が前面に感じられる一方で、かすかなシナモンの存在もあり、奥行きの深い味わいが大人向き。
大地の深部はオレンジ色が鮮やかなキャロットムースです。ニンジンの甘味が生きていて、表面のジンジャーブレッドと一緒に頂くと、複雑な味わいが増しました。
うさちゃんがあまりにも小さくて可愛いので、スプーンの上に乗ってもらって記念写真。
【スモークサーモン花飾り】
厚切りの2枚のサーモンは、バラのようにかたどられて、文字とおりプレートに花を添えています。まさに、春の表現ですね。
スイーツ
【ルビーショコラとメレンゲのイースターエッグ】
卵に見立てられるアーモンドのドラジェと春を表すお花の砂糖菓子が、メレンゲに囲まれています。このメレンゲは、かなりしっかりしたテクスチャー。細い絞り出しで形状を残せるほどなので、相当入念に泡立てているのでしょう。軽いのに、口のなかで甘みをじっくり楽しめる秘密が、パティシエの手技にありそうです。
なかに隠れたルビーショコラは、ものすごく濃厚でリッチな生チョコレート。食感とは裏腹にお味はベリー系で爽やか。外側の見た目に反して、このお菓子が一番脂肪分が多く、食べ応えがありました。
【ラビットマフィン】
うさちゃんシリーズ第二弾。マフィンに生クリームがデコレーションされ、その上に耳がついて白うさぎの面持ちです。髪飾りのように付けられたお花は、エディブルフラワーで、食感のアクセントに。
【エクレアピスターシュ】
ピスタチオカラーでコーティングされたエクレア。中もピスタチオクリームで満たされています。2口サイズの小ぶりであっという間にペロリです。
【ココナッツとオレンジのヴェリーヌ】
ガラスの器に入ったヴェリーヌは、下からココナッツ風味のパンナコッタ、オレンジ風味のパンナコッタ、そしてオレンジと金柑の果肉と果皮甘露煮のトッピング。
ミルクベースのとろみのうえに、酸味の少ない柑橘の取り合わせは、懐かしさを感じて落ち着くお味でした。
【ハニーレモンパイ】
レモンカスタードクリームが詰められたパイの上に、ミツバチが!
コロンとした後ろ姿も愛らしく、ホワイトチョコレート製ハチの巣のハニカムのいくつかには蜂蜜が入っている心憎い演出!春の到来を告げる様子と、遊び心に、会話の花も咲きます。
【カヌレ】
ニンジンカラーのアイシングが施されたカヌレ。私が知っているカヌレ史上最小です。こんな小さな型があるのですね。リキュールが効いていて外側がしっとりしているのが特徴的でした。
【スコーン】
型に入れて焼かれたと思しきスコーン。見た目がマフィンですが、お味と食感も、甘味の少ないマフィンのようでした。スコーン特有のホロホロと砕けるような感じがなく、小麦の粒子すべてにバターが浸み渡っているので、どちらかというと、フランス菓子のフィナンシエに近い食感。クロテッドクリームの助けを借りなくても十分しっとりしていましたが、格別にクロテッドクリームが好きなので、たっぷりつけていただきました。
しかも、提供されていたクロテッドクリームはロダスです!本場イギリスでも、誉れ高いクロテッドクリームの老舗ブランド。予期せぬうれしい出会いでした。
お飲み物
紅茶が7種、ハーブティーが3種、コーヒーがノンカフェインも含めて7種のドリンクメニューがあり、いずれもホットでもアイスでも楽しめ、飲み替えも自由です。
【ウバ】
最初に頂いたのは、ウバ茶のアイス。アイスでも、しっかり独特の香りがあり、好印象のスタートを切りました。
【セイロン】
続いてホットのセイロンティーへ。温かいお茶はポットで、丁度カップ2杯分が頂けます。ポットのなかに茶葉はなく、厨房で飲み頃のお茶に仕上げられた状態で客席に運ばれ、カップに注がれる1滴目からしっかり紅茶色です。
そして、きちんとティー・コージー(ポットカバー)もテーブルに供されるので、温かさも維持されるうれしい心遣い。ティー・コージーをアフタヌーンティーで見たのは初めてです。
ザ・プリンス パークタワー東京のロビーラウンジは、日本紅茶協会の『おいしい紅茶の店』に認定されていますが、こういった細やかな配慮があるからこそなのかもしれません。
【シャンパンウーロン】
凍頂烏龍茶をベースに、ローズ、ジャスミン、ハイビスカスのお花がブレンドされたシャンパンウーロンは、酸味が効いていて、さっぱりとしています。
ガラステーブルに映るモノクロの東京タワーを愛でながら、ルビー色のお茶をいただきました。
【レモニーアフタヌーン】
すべてのお食事とスイーツを頂いたあとに、見た目もお味もレモンの爽やかなお茶をいただきました。
【カプチーノ】
ラストオーダーの声を聞いてお願いしたのは、個人的定番のカプチーノ。カップが華やかです。
ザ・プリンス パークタワー東京のアフタヌーンティーまとめ
Easter Afternoon Tea ~scent of spring~
期間: 2023年05月31日(水)まで
時間: 3時間制12:00〜19:00(最終入店16:00)
料金: ¥7,000/人 (税込み/サービス料別途15%)
予約: 前日までに必須 1名から利用可能
※メニューや価格、その他諸条件は定期的に変更されるため、予約の際に最新情報をご確認ください
▼インターネット予約
https://www.princehotels.co.jp/parktower/plan/lobbylounge/afternoontea_2023.4-5/
▼電話予約
03-5400-1170
当日入会OKの会員優待特典
予約をした3月時点ではザ・プリンス パークタワー東京はMarriott Bonvoyに参加していたのですが、4月に伺った際は加盟が終了していたようで期待の特典は利用できませんでした。
そこで今回は、プリンスホテルズ&リゾーツのステータスサービスであるSEIBU PRINCE CLUBの会員特典を利用してみました。
SEIBU PRINCE CLUB会員優待
- 通常料金 7,000円
- 会員優待料金 6,000円
特典利用で1,000円お得になりました!さらに、利用料金に対してポイントが付与され、ホテルはもちろん、それ以外の加盟店で利用できます。条件がそろえばPASMOのチャージにも利用できるので、なかなか使い勝手がよいサービスです。
入会費や年会費は無料で、年間の利用料金に応じてステータスが上がり特典の魅力も上がります。アフタヌーンティー当日の入会も可能です。
詳細は公式サイトをご覧ください。
https://www.princehotels.co.jp/pss/
アフタヌーンティーの免罪符
大好きなアフタヌーンティー。その日が来るのが毎回待ち遠しいですが、1つだけ気になるのが摂取カロリー。当日や前後の日の食事に気をつけながら臨んでいたところ、今回はホテル内で手軽に楽しくカロリー消費ができる施設を見つけました。
ボーリングサロンがホテル内にあり、誰でも利用できます!ボーリングサロンの名にふさわしい落ち着いた施設で、バーも併設されています。
ボーリングの全身運動で甘いモノを食べた若干のうしろめたさを解消しながら、ホテル環境を思う存分満喫。
そして設備の良さの割にお手頃価格だと思いました。
ザ・プリンス パークタワー東京のサービス
3時間のアフタヌーンティーと1時間弱のボーリングの利用という短い滞在時間ではありましたが、ザ・プリンス パークタワー東京では大変心地良く過ごせました。
各利用施設のスタッフの方々の他、ホテルレセプションの方、車寄せの方などにもお声かけする機会があったのですが、例外なく気配りをもった素晴らしい応対をしてくださいました。
特にロビーラウンジの方々にはお手間をおかけしましたが、柔軟にご対応いただき、とてもうれしく思っています。
よく訓練されている印象に加えて、お一人お一人のプロとしてのマインドの高さを感じました。
アフタヌーンティーの独創的な企画やメニューも、利用者を愉しませようという強いサービス精神の現れではないでしょうか。
帰り際のおもてなし
到着時、正面玄関ホールのデザインに、温かみのある都会的センスを感じましたが、帰り際に反対側から見た同じホールには、また別の印象がありました。
自動ドアに施された幾何学的なデザインと、合い間から取り込まれる光とのバランスが美しいことこの上ありません。どことなくアールデコ調でもあり、左右に開くドアが大正モダン柄の引き戸子のようでもあり、忘れられない光景です。
ホールを出ると、無料シャトルが待機していたので利用してみました。雨が降ったりやんだりの空模様でしたが、傘を使わずに浜松町駅まで行くことができました。
ザ・プリンス パークタワー東京へのアクセス
住所 : 東京都港区芝公園4-8-1
地図 :
最寄り駅
都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅(赤羽橋口から徒歩2分)
都営地下鉄三田線 芝公園駅(A4出口から徒歩3分)
JR線・東京モノレール 浜松町駅(徒歩12分/無料シャトルバス20分)
無料シャトルバス
運行時間 : 9時~20時
運行経路 : 浜松町駅→東京プリンスホテル→ザ・プリンス パークタワー東京→浜松町駅
※予約不要先着順
※満席の場合は乗車できない場合あり
※やむを得ない事情によりバスが運行しなかった場合の代替輸送の保証なし
シャトルバス詳細
https://www.princehotels.co.jp/file.jsp?id=325185
駐車場
飲食 2,000円 以上:2 時間まで無料
飲食 5,000円 以上:3 時間まで無料
※利用施設にて、会計時にサービス券を受領
アフタヌーンティーのプリンス
ホテルアフタヌーンティー巡りをするようになりいろいろ調べていくなかで、「プリンスホテルズ&リゾーツ」は系列ホテル全体でアフタヌーンティーに力を入れているように見受けられました。
全国の系列ホテルのアフタヌーンティー特集サイトがありましたので、ご参考までに記載しておきます。
https://www.princehotels.co.jp/features/restaurant/afternoontea/
※「ザ・プリンス さくらタワー東京」と「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」とは、Marriott Bonvoyに加盟しています(2023年4月現在)
それではまた!
これからもアフタヌーンティーレポートを続けて参ります。
どうぞ宜しくお願いいたします。